sgotoの日々是好日

茶道と共に歩み考える日々を綴ります

2018-01-01から1年間の記事一覧

茶会記とフイルム

部屋の整理をしていたら古い会記が出て来た。十五年ほど前に師匠が亭主になって催された茶会のもの。私は小躍りして喜んだ。なんというお宝だろう!私は舐めるように会記を読んだ。 会記が宝ものだと気づいたのは最近のことである。定期的に稽古をやるように…

香付花月の香銘

「後藤さん、次のゼミで季節の香銘が三種類出ると思うからしっかり聞いてきてみんなにメールしてね」と友人から言われた。はじめは何のことかと思っていたら月末にやる香付花月之式(こうつきかげつのしき)で使うお香のことだった。 花月之式は五人ひと組で…

葉蓋の「葉」問題

「葉蓋」という点前がある。裏千家十一代玄々斎が七夕の茶会に際して、末広籠という花入の受け筒を水指に見立て、梶の葉を蓋がわりに使ったのが始まりだと伝わっている。点前の途中で葉を取り、折りたたんで建水に落とす。平建水や曲げの建水など口の大きな…

洗い茶巾と茶巾の絞り方

裏千家の夏の点前といえば、誰もが真っ先に思いつくのは「洗い茶巾」だろう。洗い茶巾は平茶碗に茶巾を流していれ、茶碗に少し水を入れ、茶筅と茶杓を仕組んで行う薄茶の点前である。 ちなみにわが流儀には「絞り茶巾」という点前もある。こちらは筒茶碗を使…

炭か電熱か、それが問題だ

茶道には炭手前と呼ばれるものがある。客の前で釜をおろし、風炉または炉に炭を入れて香を焚き、再び釜をかける。いよいよこれから茶の湯が始まりますよ、という前哨戦のようなものだ。私はこれが苦手である。 現代では炭を使わずとも火を起こし、湯を沸かす…

師匠が亡くなった日

茶道教室の前のつくばい それは歳も押し詰まったとある日の午後、いつものように稽古の準備をしているときだった。夫の携帯の呼び出し音が鳴った。画面に出た名前をちらっと眺めた瞬間、私は嫌な予感がした。 案の定、S先生が亡くなったことを知らせる電話だ…